名古屋地方裁判所 昭和61年(わ)871号 判決 1986年7月11日
本店の所在地
名古屋市中村区名駅四丁目二七番二〇号
法人の名称
中部航空サービス株式会社
代表者の住居
岐阜県本巣郡穂積町大字本田八八〇番地の三
(登記簿上の住所は、同大字一五八一番地の二)
代表者の氏名
関谷博
本籍
岐阜県本巣郡穂積町大字本田一五八六番地
住居
同大字八八〇番地の三
会社役員
関谷博
昭和一六年八月二三日生
右両名に対する法人税法違反被告事件につき当裁判所は検察官多和田洋二、坂本いづみ出席のうえ審理を遂げ、次のとおり判決する。
主文
被告人中部航空サービス株式会社を罰金一、二〇〇万円に、被告人関谷博を懲役一〇月に各処する。
被告人関谷博に対し、この裁判確定の日から三年間右刑の執行を猶予する。
理由
(罪となるべき事実)
被告人中部航空サービス株式会社(以下「被告会社」という。)は、名古屋市中村区名駅四丁目二七番二〇号に本店を置き、航空会社代理店業及び一般旅行業等を営むもの、被告人関谷博は、被告会社の代表取締役としてその業務全般を統轄するものであるが、被告人関谷博は、被告会社の業務に関し、法人税を免れようと企て、仕入割戻金・売上の各一部を除外するなどの方法により所得の一部を秘匿した上
第一 昭和五八年六月一日から同五九年五月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が一億八、二四三万九、八八五円で、これに対する法人税額が七、六三二万八、九〇〇円であるのに、同年七月二七日、名古屋市中村区太閣三丁目四番一号所在の名古屋中村税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一億三、二五〇万一、六〇六円で、これに対する法人税額が五、四七〇万九、七〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額二、一六一万九、一〇〇円を免れ
第二 同五九年六月一日から同六〇年五月三一日までの事業年度における同会社の実際の所得金額が一億八、七〇三万二、二五〇円で、これに対する法人税額が七、七九一万九、七〇〇円であるのに、同年七月三一日、前記名古屋中村税務署において、同税務署長に対し、所得金額が一億三、五四三万三、四〇一円で、これに対する法人税額が五、五五八万一、三〇〇円である旨の虚偽過少の法人税確定申告書を提出し、被告会社の右事業年度における正規の法人税額との差額二、二三三万八四〇〇円を免れ
もって、それぞれ不正の行為により法人税を免れたものである。
(証拠の標目)
被告人両名の当公判廷における供述のほか、記録中の証拠等関係カード(検察官請求分)に記載されている次の番号の各証拠
甲の2ないし26、28
乙の1ないし11
(法令の適用)
罰条
被告人中部航空サービス株式会社(以下被告会社という)につき
各法人税法一五九条一項、二項、一六四条一項
被告人関谷博(以下被告人関谷という)につき
各同法一五九条一項
刑種の選択
被告人関谷につき懲役刑
併合罪の処理
被告人両名につき刑法四五条前段、被告人関谷につき同法四七条本文、一〇条、被告会社につき同法四八条二項
(被告人関谷につき犯情の重い判示第二の罪の刑に法定加重)
刑の執行猶予
被告人関谷につき刑法二五条一項
よって、主文のとおり判決する。
(裁判官 笹本忠男)